RSウイルス感染症の報告が府内全域で増えています。ご注意を!
掲載日:2021年6月9日
RSウイルス感染症(5類小児科定点把握感染症、感染症法)が増加しています。
大阪府内の定点医療機関からの報告数は増え続けており、令和3年(2021年)3月8日~3月14日(第10週)には、定点医療機関あたりの報告数が(以下、定点あたり)1を超え、さらに、5月24日~5月30日(第21週)には、定点あたり5を超えました。
(大阪府感染症発生動向調査週報 (速報)2021年 第10週)
(大阪府感染症発生動向調査週報 (速報)2021年 第21週)
第10週に定点医療機関あたりの報告数が多かった地域は、大阪市北部ブロック(6.50)、大阪市東部ブロック(3.07)、南河内ブロック(1.31)、中河内ブロック(1.25)の順となります。第21週に定点あたりの報告数が多かった地域は、南河内ブロック(9.63)、大阪市西部ブロック(8.90)、大阪市南部ブロック(8.17)、北河内ブロック(6.40)、三島ブロック(5.18)の順でした。感染が府内全域に拡大していると考えられます。
全国的にも多くの地域で定点あたりの報告数が増加し、注意を呼び掛けている自治体もあります。
○国立感染症研究所「<注目すべき感染症>直近の新型コロナウイルス感染症およびRSウイルス感染症の状況(IDWR 2021年第16号)」
大阪府内の最新の状況はこちら。
(大阪府感染症情報センター|週報|定点把握疾患:RSウイルス感染症)
例年RSウイルス感染症は9月頃に増えることが多いのですが、2020年は年間を通じて報告数が非常に少ない状況でした。感染の機会がない方が多かったと推測されることから、2021年は発生数が多くなり、当面、発生が続くと考えられます。
RSウイルス感染症の原因は、RSウイルスです。発熱、鼻水、咳などの風邪に似た症状が数日続きます。重くなると肺炎や細気管支炎といった病気を引き起こす場合があります。2歳までにほとんどの子どもが感染するといわれていますが、生涯にわたり何度も感染を繰り返します。低出生体重児、心臓や肺に基礎疾患がある場合やダウン症候群の子どもでは、重症化のリスクが高まります。また、心臓や肺に基礎疾患を有する高齢者も重症化する恐れがあります。
RSウイルスに感染している人が咳やくしゃみをした時に飛び散るしぶき(飛沫)を吸い込んだり、ウイルスが付着した手指や日常的に触れる物(おもちゃ、ドアノブ、手すり等)を触ったりなめたりすることにより感染します。
RSウイルスに有効なワクチンや抗ウイルス薬はなく、症状を和らげるための対症療法が主になります。
感染予防のために、手洗い、マスクの着用など咳エチケットが重要です。
RSウイルス感染症について詳しくお知りになりたい方は、下記ホームページをご参照ください。
○大阪健康安全基盤研究所「大阪市内で検出されたRSウイルスの疫学」
〇大阪健康安全基盤研究所「乳幼児は注意を!! RSウイルス感染症」
○国立感染症研究所「<注目すべき感染症>RSウイルス感染症(IDWR 2018年第32号)」
○厚生労働省「RSウイルス感染症Q&A(2014年12月26日)」
成人・高齢者におけるRSウイルス感染症の重要性については以下をご覧ください。
○国立感染症研究所「成人・高齢者におけるRSウイルス感染症の重要性(IASR(病原微生物検出情報・月報)2014年 35号 p147-148)」
お問い合わせ
公衆衛生部 健康危機管理課
電話番号:06-6972-1326