RSウイルス感染症の報告が府内で増えています。ご注意を!
掲載日:2023年3月16日
Respiratory syncytial(RS)ウイルス感染症(5類定点把握感染症、感染症法)が増加しています。
大阪府内の状況
大阪府内の定点医療機関からの報告数は2023年1月16日~1月22日(第3週)以降増え続け、3月6日~3月12日(第10週)には、定点医療機関あたり(以下、定点あたり)の報告数が0.52となり、流行期入りの目安となる「0.4」(※)を超えました。ブロック別では北河内ブロックが1.04および大阪市西部ブロックが1.00と定点あたり報告数が1以上となっており、大部分のブロックで増加傾向を示しています。
※大阪府感染症情報センターでは過去の流行状況を検討し、RSウイルス感染症の「流行期入りの目安」として「0.4」を独自採用して試験的に運用しています。
〇大阪府感染症発生動向調査週報 (速報)2023年 10週はこちら
〇大阪府内の最新の状況はこちら。
(大阪府感染症情報センター|週報|定点把握疾患:RSウイルス感染症)
全国の状況
全国的には2023年2月27日~3月5日(第9週)時点で定点あたり報告数が0.34で、北海道が1.73と最も高く、佐賀県(1.48)、新潟県(1.09)で定点あたり報告数が1を超えています。
国立感染症研究所「<注目すべき感染症>直近の新型コロナウイルス感染症およびRSウイルス感染症の状況(IDWR 2021年第29号)」
RSウイルス感染症の特徴と予防
例年RSウイルス感染症は9月頃に増えることが多いですが、2020年は年間を通じて報告数が非常に少ない状況でした。2021年は4月19日~4月25日(第16週)に定点当たりの報告数が3.86、5月24日~5月30日(第21週)に年間最大の5.05、7月12日~7月18日(第28週)に3.96となる3峰性の経過をたどるなど流行時期が不規則で、年間報告数は過去最多となりました。2022年は7月18日~7月24日(第29週)に7.23と最高値となり、流行時期が不規則となっています。また、RSウイルス感染症は2歳までにほとんどの子どもが感染するといわれていますが、2021年は例年と比較して報告に占める2歳以上の割合が高かったことが特徴です。
RSウイルス感染症の原因は、RSウイルスです。発熱、鼻水、咳などの風邪に似た症状が数日続きます。重くなると肺炎や細気管支炎といった病気を引き起こす場合があります。生涯にわたり何度も感染を繰り返します。低出生体重児、免疫不全を伴う乳幼児、心臓や肺に基礎疾患がある場合やダウン症候群の子どもでは、重症化のリスクが高まります。また、心臓や肺に基礎疾患を有する高齢者も重症化する恐れがあります。
RSウイルスに感染している人が咳やくしゃみをした時に飛び散るしぶき(飛沫)を吸い込んだり、ウイルスが付着した手指や日常的に触れる物(おもちゃ、ドアノブ、手すり等)を触ったりなめたりすることにより感染します。
RSウイルス感染症の重症化を予防する「パリビズマブ(商品名シナジス)」がありますが、有効なワクチンや抗ウイルス薬はなく、症状を和らげるための対症療法が主になります。
感染予防のために、手洗い、マスクの着用など咳エチケットが重要です。
RSウイルス感染症について詳しくお知りになりたい方は、下記ホームページをご参照ください。
○大阪健康安全基盤研究所「大阪市内で検出されたRSウイルスの疫学」
〇大阪健康安全基盤研究所「乳幼児は注意を!! RSウイルス感染症」
○国立感染症研究所「2021年春のRSウイルス感染症流行―大阪市(IASR(病原微生物検出情報・月報)2021年 42号 p195-197)」
○厚生労働省「RSウイルス感染症Q&A(2014年12月26日)」
成人・高齢者におけるRSウイルス感染症の重要性については以下をご覧ください。
○国立感染症研究所「成人・高齢者におけるRSウイルス感染症の重要性(IASR(病原微生物検出情報・月報)2014年 35号 p147-148)」
お問い合わせ
公衆衛生部 健康危機管理課
電話番号:06-6972-1326