7月28日は世界肝炎デー・日本肝炎デーです。
掲載日:2024年7月24日
ウイルス性肝炎の蔓延防止には、世界的規模で正しい知識と予防意識の啓発や患者・感染者に対する差別・偏見の解消が重要です。これらの観点から、2010年の世界保健機関(WHO)総会で、「世界肝炎デー(7月28日)」が制定され、2011年より肝炎啓発推進活動が実施されています。日本でもこれに呼応し、7 月28 日を「日本肝炎デー」とし、7月28 日(日本肝炎デー)を含む1 週間を「肝臓週間」として、各地域で啓発イベントが開催されています。
World Hepatitis Day2024WHO
日本肝炎デー・肝臓週間について(厚生労働省)
「知って、肝炎プロジェクト」(肝炎総合対策推進国民運動事業)
「日本肝炎デー」及び「肝臓週間」について(大阪府)
肝炎ウイルス検査を受けましょう(大阪府)
肝炎対策について(大阪府)
7月28日の「日本肝炎デー」に大阪城をライトアップします(大阪市)
日本肝炎デー(7月28日)」にあわせて大阪城天守閣がライトアップされます!!(大阪府)
以下、主要なウイルス性肝炎の概要を記しますので、参考にしてください。
(表) 主なウイルス性肝炎の概要
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A型肝炎 |
B型肝炎 |
C型肝炎 |
E型肝炎 |
感染源・経路 |
経口(食事・水)、性感染 |
血液、母子感染、性感染 |
血液、医療行為、静注麻薬 |
経口(食事・水) |
潜伏期間 |
15~30日 |
30~180日 |
15~180日 |
15~50日 |
重症化 |
あり(まれ) |
あり |
あり(まれ) |
あり(まれ) |
慢性化 |
なし |
あり |
あり |
なし |
肝細胞がんの発生 |
なし |
あり |
あり |
なし |
治療薬 |
なし |
あり |
あり |
なし |
ワクチン |
あり |
あり |
なし |
なし |
【A型肝炎】
- A型肝炎ウイルスに汚染した食物や水を摂取したり、感染した人に直接接触することで感染します。ほとんどの人は自然に回復し、生涯に渡り防御免疫を持ちますが、高齢者では重症となるリスクが高くなります。まれに劇症肝炎で亡くなる人もいます。
- 安全な水がないこと、不衛生はA型肝炎のリスクになります。食物や水による感染が少ない国では、男性間性交渉等による感染の広がりが認められます。
- WHOによると2016年には約7,000人が死亡しました(ウイルス性肝炎で死亡した人の0.5%)。
- 日本では2022年に69例、2023年に55例の届出がありました。
- 安全で効果的なワクチンがあります。流行している地域・国へ渡航する人や男性間性交渉者はワクチン接種をお勧めします。
【B型肝炎】
- B型肝炎ウイルスは母から子へ伝達されるほか、感染者の血液や体液の接触により伝播します。
- B型肝炎は急性疾患と慢性疾患を起こします。
- WHOによると、世界的には推定2億5,400万人がB型肝炎ウイルスに感染しています。2022年には、世界で推定110万人の人がB型肝炎の合併症(肝硬変、肝がん)によって死亡しました。
- 日本では現在約110~120万人がキャリア(肝炎ウイルスが体内に持続的に存在し続けている状態)であり、そのうち10~20%が慢性肝炎となり、肝硬変、肝細胞がんへ進行することがあります。
- ワクチンを接種することによって予防することができます。
【C型肝炎】
- C型肝炎ウイルスは主として血液を介して感染します。
- C型肝炎は急性疾患と慢性疾患を起こします。慢性感染者は、将来的に肝硬変や肝細胞がんを発症するリスクが高まります。
- 世界的には、推定5,000万人が慢性C型肝炎に罹患し、毎年100万人が新たに感染しています。WHOの推定によると、2022年に24万2千人がC型肝炎で死亡し、そのほとんどが肝硬変と肝細胞癌(原発性肝癌)でした。
- 日本では約150万人がキャリア(肝炎ウイルスが体内に持続的に存在し続けている状態)と推定されます。2006年4月から2020年10月までの届出は516例(病原微生物検出情報(IASR):急性C型肝炎2006年4月~2020年10月)でした。
- C型肝炎に対するワクチンはありませんが、抗ウイルス薬はC型肝炎患者の95%以上を治癒させることができ、肝硬変や肝細胞がんによる死亡リスクを下げることができます。
【E型肝炎】
- E型肝炎ウイルスで汚染された水の摂取や、野生動物(ジビエ)の生食(加熱不十分を含む)により感染します。
- E型肝炎の特徴の一つとして、妊婦で劇症肝炎の割合が高く、致死率が20%にも達することがあげられます。
- 世界で毎年2,000万人が感染します。WHOの推計では、2015年に約44,000人がE型肝炎により亡くなりました(ウイルス性肝炎で死亡した人の3.3%)。
- 日本では2022年に435例、2023年に552例の届出がありました。
- E型肝炎に対するワクチンが中華人民共和国で承認されていますが、日本を含め他の国では未承認です。
お問い合わせ
公衆衛生部 健康危機管理課
電話番号:06-6972-1326