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大阪健康安全基盤研究所

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10月24日は世界ポリオデー

掲載日:2024年10月17日

世界ポリオデーは、初めてポリオ・ワクチンを開発したチームを率いた米国の医学者Jonas Salk(ジョナス・ソーク)の誕生を記念して、ポリオのない世界を目指す国際ロータリーによって制定されました。1988 5月の世界保健総会における決議に基づき、世界保健機関(WHO)によるポリオ根絶に向けた取組(世界ポリオ根絶計画 Global Polio Eradication Initiative (GPEI))が推進され、世界中のポリオを99%減らしました。ポリオ(急性灰白髄炎・小児麻痺、感染症法2類感染症)はワクチンで予防可能な疾患です。

発生動向

  • 日本では、1960年に患者数6,500例に達する大流行がありましたが、その後の経口生ポリオワクチン接種により患者は激減し、1981(昭和56) 年以降、野生株ポリオウイルスによる発症例は報告されていません。ワクチン株によるワクチン関連麻痺症例については、2013年に1例報告があった以降は発生していません。
  • WHOによると、世界では、野生株ポリオウイルスの検出は1988年に約350,000例の報告がありましたが、2020年には140例まで減少し、2021年は6例、2022年は30例、2023年は12例(主としてパキスタン、アフガニスタン)の報告がありました。
  • 2020825日、WHOは、アフリカ地域における野生株ポリオウイルスの根絶に成功したと正式に宣言しましたが、2021-2022年マラウイ共和国、モザンビーク共和国でそれぞれ1例、8例の報告がありました。
  • 伝播型ワクチン由来ポリオウイルス(circulating vaccine-derived poliovirus: cVDPV)によるポリオ流行は懸念される状況が続いています。特に、伝播型ワクチン由来ポリオウイルス2(cVDPV2)が最も多く報告されています。アフリカ地域からの報告が多いですが、2022年には米国, カナダ, 英国, イスラエルでも2cVDPVが検出されています。cVDPVによるポリオ流行の原因は、子どものワクチン接種割合が低いことです。そのため、ワクチンキャンペーン等の取り組みが行われています。
  • 野生株ポリオウイルス及びcVDPVは国際的な拡がりの危険性が依然としてあるため、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」が継続されており、引き続き注意が必要です。

ポリオウイルス


感染経路と臨床症状

  • ポリオウイルスが人から人へ、主にウイルスを含む糞便を介して感染します。
  • 感染した場合、約95%は不顕性感染(感染後も無症状で経過するもの)であり、残りの約5%が、発熱、倦怠感、頭痛、嘔吐、頸部、四肢の疼痛などの感冒症状を呈します。不可逆的な運動麻痺をおこす事例は、感染者の約0.5%であり、そのうち5-10%が呼吸筋に麻痺を起こすことにより死亡します。

予防接種

  • ポリオワクチンには、経口生ポリオワクチン(Oral polio vaccine:OPV-経口接種)と不活化ポリオワクチン(Inactivated polio vaccine:IPV-注射による接種)があります。
  • 日本では、2012年8月まではOPVが使用されていましたが、2012年9月以降はIPVが使用されています。そして、20244月以降は、IPVを百日咳、ジフテリア、破傷風、ヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib)の各ワクチンを混合した5種混合ワクチンンを用いた接種が可能となっています。
  • ポリオがまだ存在する国に4週間以上の長期滞在を予定している方は、過去にポリオの予防接種を受けたことがあっても、渡航前に追加で接種することがWHOより推奨されています。かかりつけの医師に相談してください。特に1975年から1977年生まれの方は、ポリオに対する免疫が低いことが分かっており、この世代の方については追加接種が推奨されます。

参考  

お問い合わせ

公衆衛生部 健康危機管理課
電話番号:06-6972-1326