感染症流行予測調査事業に関する肺炎球菌およびインフルエンザ菌の収集と解析について
《大阪府内医療機関の医師等専門家向け》
当研究所では、厚生労働省および大阪府が実施する「感染症流行予測調査事業」の一環として、肺炎球菌およびインフルエンザ菌の菌株収集と解析を行っています。両菌種は重篤な感染症である細菌性髄膜炎の原因菌として重要であり、患者から分離された菌株の血清型や患者の予防接種歴などの情報は、ワクチンの効果判定や今後のワクチン株選定などの際に基礎データとして活用されています。つきましては、原因菌の詳細な細菌学的データ取得と正確な症例把握のために、下記のとおり分離菌株と症例情報の提供についてご協力をお願い申し上げます。対象となる症例
大阪府内で発生した、感染症法で定める「侵襲性肺炎球菌感染症」、「侵襲性インフルエンザ菌感染症」の届出基準に該当するすべての症例が対象となります。いずれも全年齢層を対象とし、特に制限はありません。- Streptococcus pneumoniae による侵襲性感染症のうち、本菌が髄液、血液および無菌材料から検出された感染症
- Haemophilus influenzae による侵襲性感染症のうち、本菌が髄液、血液および無菌材料から検出された感染症
ご提供いただく菌株
該当する患者の髄液、血液および無菌材料より分離された菌株。原則として血液、髄液等の臨床検体は受付できません。なお、菌株はすぐに死滅する場合があるため、速やかに分与いただくか、一時的に保存していただく必要があります。一時的な保存方法についてはこちら(菌株の簡易保存法について)をご参照ください。当研究所で実施する検査
菌株の菌種確認および血清型別症例発生時のお手続きおよび菌株のご提供手順
対象となる症例がありましたら、管轄保健所への届出と合わせ、下記連絡先(大阪健康安全基盤研究所・細菌課)までご連絡ください。ご連絡いただいた以降の手順は検査実施施設の状況(院内検査施設か外部検査機関か)により以下の通り異なります。検査実施が院内検査施設の場合
日程調整の上、当研究所から菌株を受け取りに伺います。菌株として、菌の発育した培地、シードスワブ、一時保存した綿棒等をお渡しください。検査実施が外部検査機関の場合
菌株が外部検査機関から院内検査施設に返送される場合は、日程調整の上、当研究所から菌株を受け取りに伺います。返送されない場合は、外部検査機関にご連絡いただき、当研究所への菌株送付をご依頼していただきます。それ以降の郵送等による菌株配送の手続きは、外部検査機関と当研究所担当者の間で直接調整し、実施いたします。症例情報の添付について
菌株提供時に保健所へ提出された発生届の写しを添付してください。菌株が外部検査機関から送付の場合や写しが間に合わない場合は、メールやFax等でご提供ください。解析にかかる費用
「感染症流行予測調査事業」は国および大阪府が行う事業であるため、菌株のご提供・解析にあたり費用のご負担は一切ありません。解析結果の還元
ご提供いただいた菌株の解析結果は還元することができます。ご希望される場合は、「結果還元を希望する」こと、並びにメールアドレス・Fax等の結果送付先をお伝えください。なお、ご希望のない場合は還元いたしませんのでご容赦ください。参考
感染症流行予測調査事業とは
日本の予防接種政策の基礎資料とするために厚生労働省が主体となって行う調査事業です。定期予防接種対象疾患について、わが国の国民がこれらの病気に対する免疫をどれくらい保有しているか(集団免疫の現状把握:感受性調査)やどのような型の病原体が流行しているか(病原体の検索:感染源調査)などの調査を行い、これらの結果と他の色々な情報(地域、年齢、性別、予防接種歴など)をあわせて検討して、予防接種が効果的に行われていることを確認し、さらに長期的な視野で病気の流行を予測することを目的としています。https://www.niid.go.jp/niid/ja/yosoku-index.html(国立感染症研究所)
届出基準等(大阪府感染症情報センター)
お問い合わせ
微生物部 細菌課(担当河原)
電話番号 06-6972-1369
Fax 06-6972-0772