食品中の放射性物質検査(平成29年度)
掲載日:2018年3月23日
食品化学1課では、食品中の放射性物質に関する不安を払拭し、食の安全を確保するため、大阪府内で流通する食品や学校給食等を対象に、放射性物質の検査を実施しています。当課では、平成23年8月の検査開始以降、毎年約400件の検査を継続中です。具体的には、ゲルマニウム半導体検出器という機器を用い、食品中に含まれる放射性セシウム含有量を測定しています[1]。放射性セシウム含有量の基準値は、すべての人が摂取する「飲料水」、「一般食品」、さらに乳児が食べる「乳児用食品」、子どもの摂取量が特に多い「牛乳」の4つの区分で設定されています(表1)。なお、検出下限値はそれぞれ基準値の5分の1に設定しています。
表1 食品中の放射性セシウムの基準値と当課における検出下限値
検査の概要および現状について、過去4回にわたってメールマガジン上でお話させて頂きました[1-4]。今回は、平成29年度に実施した検査結果をまとめました。対象となった食品(378検体)は、生鮮食品や加工食品など多岐にわたっています(表2)。平成29年4月から平成30年2月末に実施した検査において、対象食品中の放射性セシウムの含有量は全て検出下限値を下回っており、検出事例はありませんでした。当課では、平成24年度以降、約2800件の放射性物質検査を実施していますが、基準値を超えるような事例はなく、府内に流通している食品の安全性が確保されていると考えられます。
表2 平成29年4月から平成30年2月に実施した放射性物質の検査結果
これらの結果は、大阪府のホームページ[5]で随時公開していますので、ご参照ください。来年度以降も検査を継続し、食の安全・安心に繋がる情報を発信していきたいと思います。
[1]「ゲルマニウム半導体検出器について」(かわら版@iph、第97号、2011年9月30日発行)http://www.iph.osaka.jp/s010/030/020/060/030/20180108030000.html
[2]「食品中の放射性物質の測定について」(かわら版@iph、第92号、2011年4月28日発行)http://www.iph.osaka.jp/s010/030/020/060/040/20180108032000.html
[3]「食品中の放射性物質(放射性セシウム)の検査について」(かわら版@iph、第112号、2012年12月28日発行)http://www.iph.osaka.jp/s010/030/020/060/020/20180108024000.html
[4]「食品の放射性物質検査の現状について」(かわら版@iph、第143号、2015年7月31日発行)http://www.iph.osaka.jp/s010/030/020/060/010/20180108022000.html
[5]大阪府「食品の安全性確保について(放射性物質関連)」(外部ページへリンク)http://www.pref.osaka.lg.jp/shokuhin/hosyasen/index.html
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衛生化学部 食品化学1課
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