減塩のすすめ
掲載日:2022年10月11日
日本人の食塩摂取量は?
食塩の摂りすぎは、高血圧や心臓病、腎臓病などの病気につながります。日本人は1日にどれくらいの食塩を摂取しているかご存じですか?令和元年の国民健康・栄養調査によると食塩摂取量の平均は10.1 g(男性10.9 g、女性9.3 g)でした。
世界保健機構(WHO)では成人の食塩摂取量の目標値を5 g/日未満としています。厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準2020年版」では食塩摂取量として男性7.5 g/日、女性6.5 g/日、高血圧及び慢性腎臓病の重症化予防を目的とした量として、6 g/日未満を目標にしています。日本人の食塩摂取量はこれらの目標値には遠く及ばないのが現状です。
図1 食塩摂取量の年次推移
参照:厚生労働省 令和元年国民健康・栄養調査結果の概要,
WHO. Guideline: sodium intake for adults and children, 2012.
どんなものから食塩を摂っているの?
厚生労働省が令和元年国民健康・栄養調査で食品群別の食塩摂取量を調査したところ、約70%が調味料という結果でした。調味料の中でも、しょうゆ、塩、みそからの摂取が多く、調味料以外の食品では、パン、麺類、干物、かまぼこ、漬物などの食品の寄与が大きくなっています。
参照:厚生労働省 令和元年国民健康・栄養調査報告 第1部 栄養素等摂取状況調査の結果
減塩の工夫
食塩の摂取量を減らすためには食塩を多く含む食品について食べる量や回数を減らす、減塩タイプのものに変更する、といった方法が考えられます。
最近ではしょうゆやみそはもちろん、かまぼこ等の魚介加工品やハムやソーセージなどの加熱食肉製品、カップラーメンなどもスーパーマーケットで減塩食品を手軽に購入することができます。
図3 減塩の工夫
*の食塩相当量については文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)に記載された値から算出した
大阪健康安全基盤研究所での取り組み
令和2年4月1日から容器包装に入れられた加工食品には栄養成分表示が義務化されています。栄養成分表示は、消費者がバランスの取れた食生活を送るための重要な情報源です。食品をスーパーマーケットなどで購入する際には、栄養成分表示を確認してみてください。大阪健康安全基盤研究所では栄養成分表示が適正に行われているかモニタリングを行っています。
参考資料
- 厚生労働省ホームページ:令和元年国民健康・栄養調査報告
https://www.mhlw.go.jp/content/000710991.pdf - 世界保健機構ホームページ:Guideline : sodium intake for adults and children, 2012.
https://www.who.int/publications/i/item/9789241504836 - 厚生労働省ホームページ:日本人の食事摂取基準2020年版 策定検討会報告書
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html - 消費者庁ホームページ:栄養成分表示について
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/ - 文部科学省ホームページ:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
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衛生化学部 食品化学1課
#食品化学1課は,2023年1月より食品安全課と食品化学課に再編されましたので,
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