「くすり」の使用期限と保管について
掲載日:2021年4月9日
「くすり」を使用する際に、どのようなことに気をつけていますか?「くすり」には、使用期限や保管方法などが決められてます。「くすり」の効果を得るためには、使用期限や保管方法も大切な要素です。
一般用医薬品の使用期限について
ドラッグストアやインターネットで販売されている一般用医薬品には、使用期限が記載されています。安定性試験(#1)の結果等から設定される「使用期限」は、未開封の製品が適切な条件下で保管されていた場合の「目安」となります。開封品については、使用期限が「より」短くなる可能性があります。
#1:安定性試験とは 医薬品の承認申請における安定性試験は、温度、湿度、光等の環境要因の影響下で品質の経時的変化が評価されます。これらの試験により、使用期限や保管条件に関する様々なデータが得られます。 日本製薬工業協会「新有効成分含有医薬品の安定性試験データの評価」 |
医療用医薬品の使用期限について
医師の指示に基づき提供される医療用医薬品には通常、使用期限が記載されていません。しかし、処方箋で定める期間内であれば有効性や安全性が保証されています。医療用医薬品は、個人の病状や体調に併せて処方される「くすり」です。従って原則、処方された人が期間内に使用する必要があります。飲み残した医療用医薬品をあとで使用したり、他の人が服用しないようにしてください。
「くすり」の適切な保管方法について
「くすり」は冷蔵や暗所保存等の指示がある場合、決められた場所(方法)で保管してください。「くすり」の品質(有効性や安全性)に影響を及ぼす要因は主に、湿度、光、温度です。原則、湿度の影響が少ない密閉された容器に入れ、直接光の当たらない涼しい場所で保管する様にしてください。また、誤飲事故を防ぐため、小さい子供の手が届かない場所に保管してください。厚生労働省の調査(#2)では小児による誤飲事故の内、「医薬品・医薬部外品」によるものが第2位(17.4%)に挙げられています。
#2:厚生労働省「2018年度 家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」https://www.mhlw.go.jp/content/11124000/000581251.pdf |
おわりに
大阪健康安全基盤研究所では、行政機関からの依頼を受け、府内に流通している一般用および医療用医薬品の規格検査を実施しています。検査の内容は、「決められた量の有効成分が含まれているか?」、「決められた時間内に有効成分が溶け出すか?」、「個体毎の有効成分の量は均一か?」等です。これらの検査を行い監視することにより、私たちが服用する「くすり」の品質が保証されています。
参考文献
静岡県立こころの医療センター「お薬のはなし」
http://www.shizuoka-pho.jp/kokoro/medicine-info/8_5c664b66dc637/index.html
第一三共ヘルスケア「くすりと健康の情報局」
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/qa/09.html
日本調剤「お客様向け情報」
https://www.nicho.co.jp/column/14253/
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