糖尿病の合併症~11月14日「世界糖尿病デー」~
掲載日:2024年11月1日
11月14日は「世界糖尿病デー」です
11月14日は、インスリンを発見したカナダのフレデリック・バンティング氏(1891年~1941年)の誕生日にちなんで「世界糖尿病デー」と制定されました。毎年この時期に、糖尿病の予防、治療継続の大切さを人々に知ってもらうため、全世界で糖尿病の啓発キャンペーンが行われています。
ここでは、糖尿病の合併症について解説します。
糖尿病の三大合併症
糖尿病とは、慢性的に血液中の糖が多い状態(高血糖)が続く病気です。治療せず放置すると、神経と血管が傷つき全身の臓器に悪影響を及ぼします。これを糖尿病の合併症といいます。代表的な糖尿病の合併症は、頭文字をとって、しめじこがに(図1)と呼ばれます。
傷ついた血管には血のかたまりができ、そこから先には血が流れにくくなります(図2)。特に細くて小さな血管は影響を受けやすいため、三大合併症「神経障害(し)・網膜症(め)・腎症(じ)」を引きおこしやすくなります。例えば、怪我をした場合では、痛みを感じにくく、血管の機能が弱まるため傷が治りにくくなり、最悪の場合壊死(組織や細胞が壊れること)してしまうことがあります。
また、心臓を栄養する血管では血が流れにくくなると狭心症、完全に血管がつまると心筋梗塞になります。
その他に、脳の血管がつまると脳梗塞が起こり、麻痺など重い後遺症になったり、脳がダメージを受けることで認知症になったりすることもあります。
糖尿病の合併症-腎症-
腎臓では血の流れが悪くなると、働きが悪くなります。少しずつ進行するため、すぐに体調がおかしくなることはありませんが、気づかないうちに年数をかけてだんだん体に影響が現れてきます。腎臓の働きが悪くなると、からだのむくみによる息苦しさや、貧血や骨粗鬆症にもつながります(図3)。
進行すると透析が必要となります。多くの場合、1回4時間以上の透析が週に3回程度必要になるため、大きな負担となり、普段通りの生活に支障が出ることがあります。
しっかり治療を続けましょう
糖尿病の合併症により著しく生活の質を落とすことになりますが、早期に発見し適切な治療を受けることで、発症や病状の悪化を食い止めることができます。治療の機会を逃さないように定期的に健診を受けることが大切です。また、治療が必要と判断された場合には、自分で判断せず通院を継続し薬を正しく使うようにしましょう。
関連リンク
- 11月14日は「世界糖尿病デー」~その1:インスリンの働き~http://www.iph.osaka.jp/s016/000/topix/ncds5-1.html
- 11月14日は「世界糖尿病デー」~その2:糖尿病の治療をされている方への情報提供~http://www.iph.osaka.jp/s016/000/topix/ncds5-2.html
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